小さな女の子
2009年 03月 24日
「おばあさんのお口はどうしてそんなに大きいの?」
「それはね、おまえをひと口に食べてしまうためだよ。」
小さな女の子は言いました。
「このお家の人はどうしてみんなやさしいの?」
「それはね、みんなあなたが大好きだからよ。」
4歳の姪を一週間預かることになった。
パパとママが去ったその日の夜から、38度以上の熱が出た。くっついていると電気あんかを抱いてるように熱い。ほっぺを真赤にしてふうふう言っている。この子は普段からあまり泣き言を言わない。「ママに会いたい」、ぽつりと一言だけで、泣き叫ばない。
38度が丸一日続いて、熱と辛さがピークと思われる頃、「ママに伝えてね。××ちゃんが熱を出してるって。」と言うので、「お電話でママと話す?」と聞くと、かぶりを振る。そのうちとうとうぽろぽろと大粒の涙がこぼれてきて、声をあげて泣き始めた。「ママに会いたい」と大声ではっきりと言った。
そうしてひとしきり泣いた後、自分でパジャマの袖で涙を拭ってぴたりと泣くのをやめた。それから少しご飯を食べて、買ってもらったディズニーのプリンセスの本で塗り絵をしたり、シールを切り取ったりすることに集中して、抱っこをせがまなくなった。よい方向に向かっているんだろうな、となんとなく思っていたら、次の日の朝にはすっかり熱が下がっていた。
小さな女の子は、今日は晴れ晴れとした顔をして、大好きな従兄のお姉さんたちの家に遊びに行った。