過去を振り返れば羞恥心に苛まれ、未来を想像すれば不安に襲われる。ただ道を踏み外さないように、足元だけを見つめて一歩一歩進むのが精一杯。だからせめて足跡を残そう。


by koharu65

カテゴリ:詩( 109 )

秋の夕べはつるべ落とし


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赤い龍の子らが
西の空で戯れる

天も地も僕らの庭さ
山に爪たて 野を蹴り上げて
沈む夕日を追いかけろ

龍の子たちは
ひとしきり戯れた後
燃え立つ体躯をひるがえし
たちまち姿をくらませた

残されたのは
薄墨の静けさ

秋の夕べはつるべ落とし

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by koharu65 | 2010-10-29 22:29 |

ひと夜かぎりの逢瀬


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双子の月下美人と
ひと夜かぎりの逢瀬の機会
濃厚な甘い香りが辺りに満ちて
重なる白のドレスが
月夜に冴える

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by koharu65 | 2010-10-07 21:36 |

春の夢


春の宵に たわいもない夢想をした
仙人のように 霞を食べて
千年生きられたらいいなと

春の酔いに ぼんやりと現をぬかす
霞を食べて 千年生きられるかしらんと

春の宵は 私のあずかり知らぬところで
千年 万年 繰り返される

『霞食い 千年生きたし 春の宵』

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by koharu65 | 2010-03-25 20:07 |

感情と心と


好きは感情
愛は心

感情は大洋の波間に漂い
心は港に錨を下ろす

風穏やかで 
陽ざし柔らかければ
波のまにまに揺られるがいい
けれど 嵐の日には
心を港に繋ぐがいい
大きな愛で繋ぐがいい

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by koharu65 | 2010-02-26 22:34 |


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目に黄色、一面のセイタカアワダチソウ
そちこちで甘い香り、金木犀
鯵のたたき 月見酒

秋深し

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by koharu65 | 2009-10-15 21:34 |



夏の始まりは アゲハチョウ
華やかに 鮮明に 劇的に

秋の始まりは シジミチョウ
素朴に ひっそりと 愛らしく



 庭の植木に水をかけると、シジミチョウがあわてたようにぱたぱたと飛び立ちます。秋だなあと思います。そういえば、日射しが強くなり始める頃にはよくアゲハチョウを見かけました。
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by koharu65 | 2009-09-01 21:02 |

わたしは××になりたい


わたしはナマケモノになりたい
ジャングルの奥深く
からだに苔の生えるほど
樹上で じぃっと 
もぐもぐ
一日中、食べてるけど
ゆっくり食べるので小食だ
泳ぐこともできる

わたしはスローロリスになりたい
リスじゃないよ、猿なんだ
のろまだから
誰にも見つからないように
ひっそりと 身動きせずに
生きている
まんまるの目を見開いて
見ているものは何だろう

わたしはゾウガメになりたい
絶滅寸前 生きた化石
のそのそ ぺたりぺたり
サボテンを食す
こうらに
子どもを乗せることもできるよ
絶海の孤島で
一万年、生きるまんねん


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by koharu65 | 2009-06-05 11:56 |

昼と夜


夜の帳が下り始め
大地は徐々に冷めていった
惜しむように抱きかかえていた陽光が
薄暮の空に戻りゆく
すっかり熱を奪われた私は
語る相手を失い 身を横たえる

朝がきっとふたたび訪れることを
私は知っているはずだが
それでも
夜の冷たさを嘆かずにはいられない
昼の暖かさを想わずにはいられない

明日の温もりは今日の温もりと同じだろうか
ひょっとして
今日という日の温もりは二度と戻らぬかもしれない

冷めた大地は朝を待つ
次の夜には再び失うであろう熱を
いっときその懐に抱くために
雌鶏が卵を抱くように?
卵が孵るほど熱が続くとでも思っているのだろうか?

くりかえす昼と夜の運命の下

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by koharu65 | 2009-05-26 13:03 |

我おもう、ゆえに・・・


僕はかんがえる
僕は僕であって僕でないようだ
僕が僕でないとすると
だれが僕で、僕はだれだろう

僕はおもう
僕は僕でないようで僕であるようだ
僕は僕であって
僕いがいのだれも僕ではない

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by koharu65 | 2009-04-26 17:11 |

それ


十四のときに、それが僕の体の中にあることを知った
十四のときは、自分の体に自分でない物が入り込んでることに
耐えられなくて、それが体の中のあちこちを移動するので、
頭やら胸やら腹やら、やたらと切り裂きたくなった
それが頭にいるときは、頭ががんがん痛くなる
それが胸に入ると、胸がぎゅっと苦しくなる
それが腹に来ると、腹痛にのたうちまわる
そのたびに、ナイフで頭を、胸を、腹を切り裂いて、手をつっこんで、
それをつかみ出したかった
でも生きていたいという気持ちがその欲求を押し留めた
そのうちにだんだんと慣れてきた、異物が異物として僕の中にあることに
なんでも長いこと続けば、それがフツウの状態になるものだ
二十のときに、それは母が僕の体に植えつけたものだと知った
知ったからといってどうにかなるものでもない
恨みもしないし、感謝もしない
あいかわらずそれは僕の中にある
今でもときどきそれは僕の頭や胸や腹を刺激するが、
生活上特に大きな支障はないので、しかたがない
受け入れるしかないと、あきらめている

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by koharu65 | 2009-04-24 10:58 |