過去を振り返れば羞恥心に苛まれ、未来を想像すれば不安に襲われる。ただ道を踏み外さないように、足元だけを見つめて一歩一歩進むのが精一杯。だからせめて足跡を残そう。


by koharu65

カテゴリ:夢の話( 53 )

山の上の寺院(夢の話)

 久しぶりに夢の話。
 最近夢を見ない。見ても、ほとんど覚えていない。
 それが昨夜、久々にはっきりと印象に残る夢を見た。

 私はどこか異国の地で、学生時代の友人とともに、旅行に来ている。山の中腹の見晴台に着いた。見晴台から正面に、高い山がそびえたっているのが見える。その山の頂上に、ちょうどチベットのポタラ宮のような、美しく複雑な形の寺院が建っていた。そこからの眺めはとても美しくうっとりとする。
 ところが、もっといい位置で眺めようと場所を少し変えてみると、さっき見た美しい寺院は別のものに形を変えてしまった。それは寺院そのものが変化したというよりも、私の見る角度によって、さっきまで見えていたものが他のものによって隠されてしまったという感じだった。おかしいな、これはさっき見えていた景色と違うようだけれど、でも方角は確かに違いない。
 そのうちに日が暮れてしまった。寺院のたくさんの小さな窓のあかりが浮かび上がる。昼間の美しい寺院をまた見たいと思う。明日帰国するので、今日中に山を下りる予定だったけれど、どうしようか。
 道を少し進むと、山の上まで行くロープあって、そのロープを移動する滑車に人がぶら下がり数珠つなぎになってどんどんと送られていく。ロープウェイのように人が乗る籠や椅子があるわけではない。人はただ自力で滑車にぶら下がっている。
 一般の参拝客と、恐ろしいような顔をした痩せた男が交互に並んでいる。痩せた男は皆同じ顔をして、体にぴったりとしたTシャツと七分丈のパンツを穿いていた。男は係員のようだ。一人一人の客の後ろに付き、背を押し出すようにしながら、輸送の役目を担っていた。
 私もそのロープで寺院まで行こうかと思う前に、目が覚めた。
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by koharu65 | 2012-06-01 23:02 | 夢の話

白猫を抱く夢

 数日前に見た夢。
 親戚の家に人が集まっている。そのうちの一人の中年の男が自分の幼い子どもを虐待しているらしいということに、私だけが気づいた。しかし下手に騒ぐと、子どもを救えないばかりか更に虐待されることになりかねないので、どうしたものかと考えあぐねる。とりあえず今夜、その男をこのまま子どもと一緒にはしたくないと思っていると、ちょうどいいことに男はまだしばらくこの家にいるので、私が子どもを送っていくことになった。
 私はまだ赤ん坊のようなその子どもを胸に抱いて、外に出る。歩いているうちに、腕の中の子どもは、いつの間にか白い猫になっていた。

 …夢から覚めたとき、胸にまだ猫の体の柔らかな感触と温もりが残っていた。腕の中に猫の姿が見えないことにちょっとびっくりして、それからそこにあったはずの温もりが失われ、からっぽになった腕の中が寂しかった。


 その次の日、また同じような夢を見た。
 古い日本家屋の一室で、男が人間の体をバラバラに切り落としていた。私は偶然、そのバラバラになった人の部分を目撃する。家にいる他の者は誰もそのことに気づいていない。私は皆のいる広い居間に戻るが、いつその男がやってくるかと、内心ひどく怯える。しかし、他の者はそんなことはちっとも知らないようで、ごく普通に振舞っているので、私もだんだんそんな出来事はなかったかのような気になってきた。
 そこへ誰かが、布にくるまれた赤ん坊を連れてきた。私は赤ん坊を抱く。頭を支えるように抱くが、首はきちんとすわっていて、気をつかわなくても大丈夫みたいだ。布で腕と足もひと包みになっているので、とても抱きやすいのだけれど、前日の夢の中の猫のようには温もりは直接に伝わってこない。私は赤ん坊を抱いて、外に出た。

…まだこの後に続きがあったように思うのだけれども、忘れてしまった。覚えているのはここまで。


 そのまた次の日、ライオンに追いかけられる夢を見た。
 私は大きな洋風の家の一室にいる。部屋の奥にいると、入り口からライオンが入って来た。私はあわててベッドのシーツの下にもぐりこんで身を隠す。まだ手や足が部分的にシーツからはみ出ているので、全身を隠さなければと思うのだが、ここで身動きするとライオンに気づかれてしまうだろう。全身を隠すべきか、それともじっと息をひそめて生き物の気配を断つべきか。ジレンマに陥っている間にライオンが近づいてきた。怖くて身動きができない。ライオンはベッドの上に乗ってきたが、結局私がいることには気づかずに去っていった。ライオンが去った後、私は広間へと急いだ。皆にライオンのことを知らせなければと。広間には10人ほどの人が集まって談笑していた。そこへライオンがやって来る。私はおそろしくて声も出ないのに、他の人たちは慌てる様子もない。私は、もしかしてこのライオンは実はそんなに恐ろしくないんじゃないか?恐れる必要はないのではないか、と思った。


 黒猫でも白猫でもネズミを取る猫が良い猫だ、と言った人がいるけれど、縁起の良さで言えば、やっぱり黒猫よりも白猫の方が良いに違いない。
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by koharu65 | 2011-09-07 23:12 | 夢の話

唐の寺院(夢の話)

 中国にいる夢を見た。
 唐の町並みを人力車で通りぬけ、寺院にたどり着いた。
 岩肌をくりぬいてつくられた礼拝所は、冷たく暗く、様々な小鳥の群れが飛び交っていた。

 写真を撮ろうとデジカメの画面を覗き込むが、真っ暗で何も見えない。
 ところが撮った写真を見ると、色とりどりの小鳥たちがちゃんと映っていた。

 目を覚ますと、窓の外で、向かいの家の軒下に巣をつくったツバメたちが、ピーチクパーチク、チョチョチョチョと、かまびすしく鳴いていた。
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by koharu65 | 2011-07-09 15:55 | 夢の話

奇妙な夢の話

 昨日見た夢。
 水のある夢、しかもその中で魚が泳いでる、というのは私にとっていつもは大概、良い夢なのだけれど、昨夜見たのはなんだか奇妙な感覚の夢だった。
 宴会場くらいの広さの部屋の中、床板の大半が取り外されていて、床下の空間の部分が池になっている。池の中にはスッポンとワニとそれからわけのわからないぬるぬるした魚たちが重なるようにしている。
 私の他に女性が2人いて、私も含めて3人でゲームに参加していることになっている。池の中のスッポンを指定された数だけ順序よく捕まえることを競うゲームだ。他の二人は既に順調にスタートしているが、私は実はあまり乗り気ではないのにやらなければいけない状況にあって、もたもたしている。しかたがない、とようやく池に入って、スッポンを両手で脇から掴んで持ち上げるが、私が捕まえるべきはスッポンじゃない、なんだか違うことをしているような気がして釈然としない思いでいる。

 むむ…、フロイト的に分析するなら、きっとスッポンは性的象徴ということになってしまうんだろうなぁ。でもフロイトはなんでもかんでも性のせいにするから、あんまり当てにはならないんですよ。(と、一応言い訳をしておこう。)
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by koharu65 | 2011-07-03 23:01 | 夢の話

久しぶりに夢の話

 最近、夢をあまり見ない。見ても日常的なつまらない夢しか見ない。などと思いながら寝たら、怖い夢にうなされて、夜中の3時に目が覚めてしまった。
 長い夢だったのだけれど、前半はよく覚えていない。知らない異国の町でさまよっていたような気がする。目が覚める直前はこんな場面だった。
 路上で、マツコデラックス(!?)のような巨体の、男だか女だかわからないような人物に出会う。セーラー服のような服を着ているが、体つきは筋肉質で、ブルドッグのようないかつい顔をしている。しかも同じ顔をして同じ服を着たそっくりの人間が二人、別々の人と話しながら、街角に立っている。私はその二人を、私に害を為す者たちだと認識して、恐ろしく感じる。その二人が私に気づかないうちにここを立ち去らなければ、と思うのだが、蛇に睨まれたカエルのように足がすくんで動けない。気づかれないうちになんとか立ち去らなければ、と気持ちだけが焦り、体は金縛りにあったように動かない。その恐ろしさの中で目が覚めた。
 つまらない夢などと夢を馬鹿にしたから、しっぺがえしを食ったのか。

 
 
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by koharu65 | 2011-06-27 21:13 | 夢の話

水のある風景の夢

 時々、海や湖や沼の夢を見ることがある。無意識の海(或いは湖沼)のほとりに立っているのだと思う。そういう夢を見た後は、深く静かな海の底に行って帰って来たかのように、心が満ちて落ち着いた気分になる。
 足元に水がどんどん溢れてくる夢も悪くない。水の中に魚が泳いでいればいっそう素敵だ。一番いいのは広大な海の夢だが、それは滅多に見ない。

 昨日は沼を渡る夢を見た。
 異世界で冒険した帰りに沼を渡った。水の中には、緑の藻のようなものがたくさんあって、ふわふわする緑のカーテンを押しのけるようにして、腰ほどの深さの水の中を歩いた。私はその藻の陰に何かがいる気配を感じている。けれど、恐怖や不安は全くない。それは確かに妖怪で正体がわからないけれども、例えば河童のようなもので、親しみすら感じることができる。
 水はきれいじゃなかったし、妖怪もいたのに、目覚めたとき、やっぱり気分は落ち着いていて、いい夢だと思った。


  有时,我做大海或湖沼的梦。我想那是在表现我站在潜意识的大海(或湖沼)的岸边。做那种梦后,感觉像到很深的海底去一趟就回来,心很安静。
  脚下的水滚滚涌出来的梦也好。水里有鱼游泳更好。最好的还是宽阔的大海的梦,但这是难得做的。

  昨日我做啦跋涉池沼的梦。
  冒险了异样的世界后,我渡过了一个池沼回来。水里有很多绿色的水藻似的东西,我像推开摇晃的窗帘,走在腰那么深的水里过去。我有感觉在水藻后面有什么东西,可一点都没有恐怖或不安的感觉。那肯定是什么妖怪,不知它的本来面目,但像个河童似的,连对它可感到爱情。
  水并不干净又有妖怪,但我从这个梦醒过来时,心情很安静的。我想这是个好梦。
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by koharu65 | 2011-02-08 10:04 | 夢の話
 最近また頻繁に夢を見るようになった。嫌な夢といい夢が交互に現れる。

 ある晩の夢。
 私はコンピューター関連の会社に勤めている。皆がそれぞれの仕事をそれぞれ黙々とこなしている中、私は何をしていいのかさっぱりわからない。オフィスの机の列の間に立ってボーっとしている。私を気にかける人は誰もいない。冷たくよそよそしい空気が流れている。自分に何もできないこと、ここでは私の存在に何の意味もないことに、私は激しいいらだちを感じる。そこで隣の部屋の上司のところへ行って、「辞めます。」と伝えた。上司は一言、「そう」と言うだけだった。私は本当に辞めたかったわけではない。そう伝えれば、上司は驚いてきっと止めてくれるだろうと期待していた。止めないまでも理由を聞いてくれるだろうと。しかし期待に反した上司の言葉に、憤然と怒りが湧き上がってきた。ぐらぐらと煮え立つような感情が私を突き動かし、後ろから上司を思い切り蹴飛ばした。飛び掛って彼を床の上に仰向けに倒し、馬乗りになって渾身の力で彼の首を絞めあげる。
 その時、目が覚めた。夢の中で男の首を絞めたその時のまま体には力が入っていた。苦いいやな気持ちが口の中に広がる。夢だったのだと気づき、やっと息をつく。寝返りを打って体をほぐした。
 台所で水を飲んで、ふたたび眠りにつくと、また夢を見た。
 今度は結婚式場などで部屋を飾る会社に勤めている。オフィスの一方の壁際には3段ほどのひな壇がしつらえてあり、その上に細長い筒型の白い花瓶がたくさん並んでいる。花瓶の中には様々な種類の花が2,3本ずつ、入れられている。式場の飾り付けをデザインするためのサンプルとして置かれている花々である。どんな花を使うのか、部屋の中の花を実際に組み合わせてみて決めるのだ。
 私はここで働き始めて間もないので勝手がよくわからない。何をしたらいいのかわからないし、ちょっとした手伝いしかできない。しかし、前の会社と違ってオフィスには穏やかで温かい空気が流れている。自分にできることが少ないにもかかわらず、それが決して引け目にならない。自分はこの会社の一員なのだという気がする。

 その二日後の夢。
 子どもたちを含めた親戚10人ほどで遊園地に遊びに出かけ、皆で遊園地を一周するおもちゃのような汽車に乗る。終点に着くと、遊園地の職員が数人待ち構えていて、私たちのグループともう一組のグループを隣の事務所に誘導した。切符の数をごまかしたとかなんとか何か不正があって、それを取り調べるらしい。私は子どもたちのうちの一人が切符を持っていないことを知っているので少しうしろめたかったが、それはたいしたことではないので、なんとでも申し開きができると思った。
 しかし、事はちっとも始まらない。私たちは事務所の壁際に並べられた長椅子に座らされたまま待ち続けている。職員たちもただその辺をうろうろしているだけだ。調べるなら早く調べればいいのに、といらいらする。この部署の責任者と思われる女性はまだ若く、何から始めたらいいかよくわからないようだった。あまりにも待たされるので、私はとうとう彼女に詰め寄った。「何をもたもたしているの!」。私は機関銃のようにまくし立てて、彼女の仕事の手際の悪さをひとしきり責めたてた。
 その後、隣の部屋に行くと、床に池があった。池を覗き込んで水面をじっと見ていると、水の底に何かが見える。その何かがだんだんと浮かびあがり形がはっきりしてきて、さっき私が責めた女性の死体だということに気づく。私があんなに責めたから彼女は自殺したのだ。慟哭しようとするが声がでない。大声をあげたくて顔をゆがめ喉から声を振り絞るように力をこめるが、どうしても声が出てこない。
 そこで目が覚めた。まだ夜は明けていない。緊張した体をほぐして嫌な感じを振り払いふたたび眠りにつく。するとまた夢を見た。
 私は動物園にいる。広い園内のそれぞれの檻の前で大勢の人が列を作って並んでいる。私も列に並ぶ。私は列に並ぶ動物園の客であり、同時に動物園の職員でもあるので自分の仕事をしなければならない。園内の4箇所に紐で繋がれている虎の赤ちゃんに餌をやることになっている。虎たちのいる場所はそれぞれ離れているので、餌をやるのにあっちに行ったりこっちに行ったりしなければならない。一匹の赤ちゃんに肉をやって列に戻ってきて、また別の赤ちゃんに肉をやり列に戻り、と2回ほど繰り返した後、こんなやり方をしていたのでは最後の赤ちゃんに餌をやって戻ってくる頃にはまた最初の赤ちゃんに餌をやる時間になってしまう、これでは大変だと思った私は、そうだ、赤ちゃんを全部ここに連れてこよう、と考えた。それぞれの場所に連れに行って、一匹一匹抱きかかえて自分の場所に戻ってくる途中で目が覚めた。

 寅年の新年を迎えた2月14日(旧暦の1月1日)に、四匹の虎の赤ちゃんの夢を見るとはなんと縁起のいいことと嬉しく思った。
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by koharu65 | 2010-02-17 11:15 | 夢の話
 夢の話。
 歩道橋の上で女に会った。女は生身の女ではなく、幻想の女のようだった。私はその女が恐ろしくてたまらない。生身の人間でないのなら殺してもかまわないだろうと、恐ろしさに震えながらナイフを持って女に体当たりした。女は胸から血を流しながら倒れもせず、冷たい顔のままじっと立っている。私はますます恐ろしくなって、どうしてもこの女を葬り去らねばなるまいと思う。それで、もう一度体当たりして、歩道橋の手すりに追い詰め、足を持ってひっくり返した。女は橋の下へ落ちた。
 一刻も早く立ち去らなければならない。私は足早に歩道橋を降りて駅へと急ぐ。真夜中だというのに、すれ違う人が少なくない。私はマフラーで顔を半分隠し、視線を避けながら小走りに走る。もうすぐ駅というそのとき、すれ違った女性に声を掛けられた。「××さん」と私の名を呼ぶ。知り合いだ。私は人違いを装って彼女の声を無視した。しかし彼女はあきらめず、私の名前を呼びながら追ってくる。
 それで私は、このまま駅のホームから線路に飛び込んで自殺を装うことを思いつく。本当に飛び込むのではなく、私が強く想像すれば、彼女にはそういうシーンが見えるはずだ。私の想像によって、彼女にそういうシーンを見させるのだ。実際それは成功した。ちょうど電車が来た瞬間、私は階段を駆け上がったその勢いのまま線路に飛び込んだ。そういう場面を強く頭に思い描いた。すると彼女はその場面を目の当たりにして叫び声をあげ、泣き崩れた。
 私は電車に乗り込んだ。
 座席は満員で、立っている人がぽつりぽつりといる。ひとつふたつ車両を移動してからドアの近くに立った。ふと横を見ると古い知り合いの顔が目に入った。懐かしくて、思わず話しかけた。ふたことみこと言葉を交わした後、その昔なじみの彼の傍に女性が立っていることに気づく。あ、そうか、この女性が今の彼のパートナーなのだ、あんまり親しげにして彼女を誤解させたら悪いな、と思って、私は彼と話すのをやめた。
 話をやめると、自分の降りる駅のことが気にかかってきた。もしかして乗り過ごしてしまったんじゃなかろうか。私の降りる駅はまだ先だろうか。
 電車はまるでバスのように、民家の軒先に止まった。最近流行の民家を改造したレストランらしい。これから私がこの街に移り住むなら、このレストランにも寄ってみたいなと思う。
 私の降りる駅はきっとまだこの先のはず。花の町駅で降りるはずなのだから。

(*「花の町駅」という名前は就寝する直前に見たアニメに出てきた名前。残念ながらオリジナルではない。)

 この夢を見る少し前、就寝した直後に金縛りに遭っている。寝ている自分の傍に何か恐ろしいものが迫っているのに体が動かない。私にはそれが夢だと幻想だとわかっている。目を覚ましさえすればいい。だから目を覚ませ、覚ますんだ、と自分に言い聞かせる。体を動かそうとがんばる。でもなかなか目は覚めない。恐ろしいものがすぐ傍にいる。怖くて怖くてたまらない。きっと飲み込まれてしまう。早く目を覚ませ、目を覚ますんだ。

 そして必ず目は覚める。
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by koharu65 | 2009-12-10 13:23 | 夢の話
 久しぶりに空を飛ぶ夢を見た。
 昔、精神科医の話で、空を飛ぶ夢を見るのは子どもだけ、と聞いたことがあるが、そんなことはないと思う。大人でも空を飛ぶ夢を見る人は結構いるんじゃないかな? どうだろう?
 村上春樹が、河合隼雄との対談で、あまり夢を見ない、と言っていた。それを聞いた河合さんが、そうでしょう、貴方は物語を書くから夢を見る必要がない、というようなことを答えていた。とすると、私がよく夢を見るのは、現実の世界で創造的な仕事をしていないせいかもしれない。
 それはさておき、久しぶりに夢の中で空を飛んだ。以前の夢では空を飛ぶ時は水の中を泳ぐように手と足で空気を掻いて進むことがほとんどだった。ところが、今回初めて、ホウキに乗って空を飛んだ。庭の落ち葉を掃くのに使う長い竹箒だ。柄にまたがって飛ぶのだが、操縦方法がよくわからずなかなか上手く飛べない。浮いてはいるものの方向が定まらず前に進めない。地面から少し上のところでまごまごしている。もどかしい。
 しばらく姿勢を変えたり力の入れ具合を変えてみたり足で蹴ってみたり試行錯誤して、ようやくゆっくりと低空飛行だが、思う方向に飛べるようになった。すっと高く自在に舞い上がれたらどんなに気持ちがよいだろうにと思う。
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by koharu65 | 2009-11-24 21:34 | 夢の話

麦のスープ(夢の話)

 久しぶりに夢の話。
 以前はよく夢の話を書いた。最近は夢自体はよく見るものの、朝目が覚めた途端、内容を忘れてしまう。
 おそらく、以前は夢を探り自分自身の心の内側を覗くことによって、なかなか納まりがつかない心の納まりどころを見つけたかったのだと思う。最近夢を覚えていないというのは、もうその必要がなくなってきたということなのかもしれない。
 ところが今朝、目が覚めても夢のシーンがまだ脳裏に焼きついていたので、めずらしいことだと思った。印象に残った理由はおそらくその夢が、食事を最後まできちんと終える夢だったからだろう。
 以前よく見た夢の中の食事は、さまざまな料理が大きなテーブルいっぱいに並べられているのに、いざ食べようとすると何かしらの障害が発生してなかなか思うように食べられないというもどかしいものだった。
 昨晩の夢の食卓はそうでない。4人掛けのテーブルに私も含めて4人座っている。私は料理を3品頼んだ。テーブルに並べられた料理は、すべて同じ大きさの白い西洋皿に乗せられている。そのうちの一品は薄い麦のスープであった。全体的に見た目がとても地味な料理で、味は格別おいしくもまずくもない。私はそれを最後まで淡々と口に運ぶ。
 向かいに座っている男性は俳優の宅麻伸で、とても不機嫌な顔をして一言もしゃべらない。アルコールで赤い顔をしている。彼はレストランに入る前に妻の賀来千香子と待ち合わせをしていたが、彼女は現れたと思ったらまたすぐに去っていってしまった。私と宅麻伸は、レストランの前で、自転車で走り去る彼女の後ろ姿を見送った。そのとき私は、彼女の後ろ姿を見ながら、自転車に乗っていても美しい人は美しいのだな、と思った。
 そういうわけで、宅麻伸が不機嫌な様子をしている理由が私にはよくわかっていたので、それはちっとも気にならなかった。むしろ、奥様をとても愛しているのだと微笑ましく思った。
 彼は自分だけ先に食べ終わると、黙って席を立った。そして勘定を済ませた。私は彼が全員の分を支払ったのか、それとも自分の分だけを払ったのか、気になってしかたがない。隣のテーブルの人たちも彼の知り合いだったので、全員分だとするとおそらく8人ほどで、少なくない金額になる。あれだけ不機嫌だったのだから自分ひとりだけ勘定を済ませただろうか、それとも全員分を黙って支払ってくれただろうか、彼が不機嫌だったこと自体はちっとも気にならないのに、勘定のことだけが妙に気にかかる。自分がお金を持っていなくて支払いに困るというようなこともないのに。
 麦のスープの最後の一口をスプーンで掬いながら、私は勘定のことを気にかける。
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by koharu65 | 2009-11-09 21:31 | 夢の話