過去を振り返れば羞恥心に苛まれ、未来を想像すれば不安に襲われる。ただ道を踏み外さないように、足元だけを見つめて一歩一歩進むのが精一杯。だからせめて足跡を残そう。


by koharu65

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逆から読むと?

『美しい国』を逆から読むと、
 うつくしいくに 
 にくいしくつう
『憎いし、苦痛』
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by koharu65 | 2007-09-28 00:00 | 雑感

言葉とその意味するもの

 母国に対して漠然とした愛情を抱いてはいるけれど、確固とした愛国心は持ち合わせていないつもりだ。けれども、時折中国語の文章の中で「小日本」などという言葉を目にすると、感情が少しざらつくような気がして、我ながらそれを不思議に思う。
 日本に対する悪意と偏見に満ちた文章ならば、始めから目を通す気などさらさらないから別に構わないのだけれども、一見特別悪意があるようには思えない文章の中でひょっこりとその文字を目にしたときは、気付かずに棘に手が触れ、ちくっとして、思わず手を引っ込めてしまうような、そんな感じを覚える。
 先日、ある中国語のブログを読んでいたら、「小女人」という言葉が出てきた。おや、なんだか女性蔑視の人らしい、と思って読んでいたら、「小女人」というのは筆者の恋人のことを指していて、それは二人の交際や感情のやり取りなどを記した愛情に満ちた文章であった。それで辞書で「小」の見出しを見ていたら、「小人」なら「人柄の卑しいつまらない人間」のことだけれども、「小人儿」だと「年上の人が未成年者に対する愛称」であるらしい。前述のブログの「小女人」はさしずめ、この後者のように親しみを込めた愛称として使われているのであろう。
 一昔前の日本人の背の低さや日本が小さな島国であることから派生した言葉らしいが、漢字そのものの意味から言えば、小ささは必ずしも蔑視に繋がらない。愛らしさとか、繊細さとか、精緻さとか、細かいことに巧みであるとかの表現であることもある。ある一つの言葉だけにこだわらず、そこにどういう意味が込められているか、文章全体の意志というものを尊重すべきであるのかもしれない。
 そう言えば、以前、こんなことがあった。
 ある中国の若い女の子とチャットしていた時、彼女が自分の勤めてる会社の日本人の上司について愚痴をこぼし始めた。そして、
「まったく、あの『日本鬼子』ときたら、本当に頭にくる。」
と言ったのだ。私は、おいおい、と思った。
「ねえ、私が日本人だってこと忘れてない?」
と言うと、彼女はけろりとした調子で
「え?私が言ったのはその上司のことで、別に貴方のことを言ったんじゃないよ。貴方だってまさか気にはしないでしょう?」
とのたもうた。
 はははは、なるほど。私はこの率直な「小姑娘」の頬にキスをしたくなった。
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by koharu65 | 2007-09-27 00:00 | 中国・中国語

祈り

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薄暮の空の静寂に 明月が独り佇んでいる

柔らかなその光が 
  あまねく地上に降り注ぎ
透き通ったその光が 
  あまねく人々に行き渡る

悲しみを抱えた人々の心に 
  静かに染み入れ 月の光よ
あらゆる悲しみを海綿の如く吸収し 
  闇を払えよ 月の光

東の空がようようと白くなるまで

満月の夜の奇跡の起こらんことを

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by koharu65 | 2007-09-25 00:00 |

姪っ子と甥っ子の会話

 夕暮れ時、甥っ子、姪っ子、犬一匹、私で、河原に散歩に出かけた。甥と姪ともに小学2年生である。川の浅瀬にサンダル履きの足でじゃぶじゃぶと、ひとしきり遊んだ後の帰り道、甥っ子は太い流木を2本、姪っ子は細長い木の枝を数本、戦利品として抱えながら意気揚々と歩く。私と犬は前を歩く。

 以下、姪=G(Girl)甥=B(Boy)。

 G 「ねえ、戦争って今からでも起こるのかなあ?」
 私 「そうだね、そういう可能性もあるかもね。」
 G 「戦争って、人がやるんでしょう?どうして戦争をやるのかなあ?」
 B 「どの国が強いか、ってことだよ。」---( なかなか的を射た見解だ。)
 G 「原子爆弾って知ってる?」
 B 「知ってるよ。広島と長崎に落ちたんでしょ。」
 G 「テレビで見たよ。子供がね、原子爆弾を踏んで、両足がなくなっちゃうの。」
 B 「原子爆弾を踏むわけないだろう。」
 G 「あ、違った、違った、なんていうんだっけ?」
 私 「地雷。」
 G 「そうそう、それ。テレビでやってたよ。子供がそれを踏んで爆発して、足がないの。」
   ……
   「地球温暖化の原因っていくつあると思う?」
 B 「七つくらい?」---( この甥っ子は自分の知らないことでも、絶対知らないとは言わないのである。)
 G 「一つはね、車のガスなんだよ。それから、木をきっちゃいけない。木は二酸化炭素を吸うから。」
   (自分の拾った木をみつめて)
   「これは、落ちたのを拾ったんだから、大丈夫だよね。切ったんじゃなくて、落ちてたのを拾ったんだから。」
 B 「木の種を植えればいいんじゃない?育てればいい。」
 G 「切られた木は、ちゃんと使ってあげたほうがいいよね。利用したほうがいい。」

 ああ、愛すべき子供たちよ。日本の未来はきみたちが担うのだ。

 甥っ子が両肩に担いできた流木を持ってみたら、ずっしりと重かった。あの長い道のりを、休み休みしながらも、よく最後まで捨てずに持って帰ったものだと、感心した。さすが男の子だ。いつもは食の細い彼が、その後の夕食はご飯を何杯もおかわりし、皆に驚かれていた。
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by koharu65 | 2007-09-24 00:00 | 雑感

長い夢

 ロマンチックな要素のある長い夢を見た。ちょっと韓国ドラマっぽい。私は韓国ドラマを一本も見たことがないのだが(あの『冬ソナ』さえ、見たことがない)。
 私の家族は両親と妹一人で、幼い頃に弟を亡くしている(これは夢の中の話、私の実際の家族構成とは全く異なる)。そして、最近有名なスポーツ選手が我が家にホームステイした。その選手が弟にそっくりで、私は彼に恋心を抱くが、その恋は実らずに終わりを告げる。
 そういう過去を持った私が、ある日、旅行で韓国を訪れる。入国カウンターの前には大勢の人が列を作っている。私はまるで国内の日帰り旅行でもするような気軽さで、パスポートすら持っていなかったので、どきどきしながら順番を待つ。しかし心配は杞憂であり、透き通るように薄い一枚の紙に何か書き込んだだけで手続きはあっけなく終わった。エレベーターで2階に行くよう指示される。
 エレベーターに乗り込んで上へ行くボタンを押すが、エレベーターはドアを開けたまま下へ動いた。そして、1階の床の下に3分の2ほど下りた時点で止まってしまった。私はカチカチとボタンを何度も押すが、エレベーターはびくともしない。わずかに空いている隙間から外に這い出ることはできそうだが、這い出ている途中でエレベーターが動き出したら恐ろしいことになる、どうしようと、しばらく迷った。私はとうとう意を決して床に手を掛けよじ登った。体がつかえてなかなか出ることができない。外にいる人が私を引っ張ってくれることを期待したが、皆遠巻きに見ているだけで誰も助けてくれない。私は必死になってようやくエレベーターから脱出した。
 外に出てエレベーターを振り返ると、私はいつの間にか建物の外に居て、エレベーターはゴンドラに変わっていた。私の乗っていたゴンドラの上にもう一つゴンドラが吊り下げられていて、ちょうどその中から女性が脱出しようとしているところだった。女性の体は何かに引っかかって支柱の途中にぶら下がっている。私の隣で若い女の子がライフルを構えてゴンドラを狙っているのに、気付く。彼女は多分、女性が引っかかっている支柱の金具か何かを打ち落とそうとしているのだと思う。けれども、それはいかにも危険だ。よほどの腕がなければ女性に当たってしまうだろう、と危惧していると、パンという鋭い銃声とともに弾が飛んだ。ゴンドラにぶら下がった女性の姿はいつのまにか全裸の後ろ姿で、その白いふくよかな臀部に丸く赤い血が滲んだ。弾を撃った女の子は女性を傷つけてしまったことにショックを受け泣き叫んだ。私も泣き叫ぶ女の子の感情が伝染したのか、涙が溢れてくる。私は泣きながらゴンドラの下に駆け寄る。
 場面は一転して、私は観光地の一角に一人佇んでいる。そこへ、一人の知的でスマートな感じのする青年が話しかけてきた。彼はプリントされた写真やネガが挟まれているクリアファイルを私に見せた。十数枚の写真の中に私が写っているものがあり、彼はそれを私にくれると言う。写真はスナップだったが、どれも上手に撮れていて、プロのようだ。きっと彼はセミプロのカメラマンで写真を観光客に売るバイトをしているのだと、私は思った。観光の名所である近くの小島を案内するというので、私は彼と船で小島に渡った。
 小島には土産物屋が並んでいた。一通り見た後、私は何か用事があって平屋建ての小さな診療所へ寄る。土間になった待合室のパイプ椅子に腰掛けて待っているうちに、私は眠り込んでしまった。気が付くともう日が暮れかかっていて、看護婦が玄関の鍵を閉めようとしている。私はあわてて外へ出た。青年は外で待っていた。私はなぜ早く教えてくれなかったのかと彼を責めた。きっと最終の船はもう出てしまったことだろう。
 船はやはり出てしまっていた。今夜はここに泊まるしかない。宿を決めて、夕食を取ることにした。パンフレットを見たが、あまり食べたいような料理が見つからない。青年が、ここにしよう、と決めたのは「高級魚料理」と書かれた料亭だった。私は着替えて、いったいどんな料理だろうか、と思いながら料亭に向かう。彼は既に正装して先にテーブルにつき、私を待っていた。

 これからの展開が期待されるというところで、目が覚めてしまった。
 ああ、残念無念!
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by koharu65 | 2007-09-24 00:00 | 夢の話

失踪


憑依していた神様が
ひょいと、いなくなった

七つの山と
七つの谷を乗り越えて
七つの海と
七つの陸を巡り行き
天、駆け
地、もぐり
探したけれど

神様は見つからない

仕方がないので
私は手足をぎゅっと縮めて
だんご虫になった

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by koharu65 | 2007-09-17 00:00 |

僕はここにいる

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お母さん お母さん
どこにいるの?

はい、はい
ここに居ますよ

お母さん お母さん
ぼくをみていてね

ええ、ええ
ちゃんと見てますよ

お母さん お母さん
ぼくのことをわすれないでね

まあ、まあ
おかしな子ね
忘れるはずなどないでしょう

お母さん お母さん
だって、ぼくはここにいるんだよ

ぼくはここにいるんだ

おかあさん

おかあさん

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by koharu65 | 2007-09-17 00:00 |

ホラー映画のような夢

 ホラー映画のような夢を見た。知り合いが、次から次へと血まみれの死体となって横たわる。気の違った女が殺戮を繰り返す。その女は、私の分身か、もしくは私自身のようだった。

  做了像恐怖影片似的梦。我认识的人一个一个地变成满身是血的尸体躺在地上。有个发疯的女人反复杀戮。那个女人好像是我的分身或者我自己。
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by koharu65 | 2007-09-16 00:00 | 夢の話

朽ち果てる

 これ以上の幸福は望めないから、このまま死んでしまってもいいと、時折思う。これから先にやってくる予期せぬ不幸を考えると、このままこの場で朽ち果ててしまいたい。

  有时我会这么想,既然不能期待比现在更幸福的生活,那还不如现在一死了之。再想到今后有可能遭遇的意料之外的不幸,我不禁在希望着就此被埋葬。
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by koharu65 | 2007-09-15 00:00 | 雑感

水の如く

 「日本人って、『自然に』っていうのが好きだよね。」
と、ある中国人が私に言った。
 「大自然」の「自然」ではなく、「自然のままに」と言う時の「自然」で、「そのまま」とか「作為的でない」「成り行きのままに」といったようなことにも通じる。
 私は、なるほど、と思った。日本では一般的に、組織の運営や人とのコミュニケーションにおいて、急速に改革しようとしたり個人の意見を強引に押し通したりすることは、それがどんなに正しく合理的なものであっても嫌われる。多くの関係者の合意を取り付けながら、少しずつゆっくりと、方向転換を図らなければならない。まずは溝を掘って用意周到に水の流れる道を作っておき、古い流れを少しずつ崩す。あたかも自然に低きに流れるが如く水は人が掘った新しい溝に導かれる。導かれた水は流れるべき方向に流れたに過ぎず、無理やり流れを変えさせられたという意識を持つことはない。
 その話より以前に、日本と中国の社会制度の違いの一つとして、中国にある革命の思想が日本にはない、という話を聞いたことがある。
 中国には『易姓革命』の思想がある。有徳者は天命を受けて国を統べるが、もしその者が徳を失えば、天命によって皇帝をも討つことができる革命が許されている。日本は奈良時代に中国から律令制を取り入れ、この際、天皇は中国流の皇帝として位置づけられたが、『易姓革命』が日本に取り入れられる事はなかった。日本では天皇は子々孫々特定の家系によって生得の地位として受け継がれてきた。
 革命というのは、ほんの短い間に、天地がひっくり返る。昨日の貴族が今日の罪人に、今日の農民が明日の皇帝に、といった具合に。そういったいつ劇的に変化するかわからない社会の中で、中国人は常に社会の変化に敏感に反応し、身構え、賢く対処しながらしたたかに生き抜いてきた。
 日本人はそういう鍛錬を必要としない社会の中で、自然に低きに導かれる水のような生き方に親しんできた。それが例え自分の生活にとってひどく不利になる場合でも、社会に抗ったり戦ったりするよりも、器に合わせて自分の形を変える方を選択することを好む。
 日本や中国に限らず、社会と自分との関係やコミュニケーションのとり方は、何百年もの間に培われて受け継がれてきた身体的な慣れとでもいうものであって、国や民族によって各々独自のものがある。
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by koharu65 | 2007-09-14 00:00 | 雑感