過去を振り返れば羞恥心に苛まれ、未来を想像すれば不安に襲われる。ただ道を踏み外さないように、足元だけを見つめて一歩一歩進むのが精一杯。だからせめて足跡を残そう。


by koharu65

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立派な大人

 立派な大人になれなかった自分を悲しく思う。おそらく、子供のとき、立派な大人になろうというビジョンを持たなかったことが敗因なのだろう。
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by koharu65 | 2008-11-29 12:04 | 雑感

子供のように

 時々、子供のように拗ねる自分を恥ずかしく思う。もう大人なのだから、道端で駄々をこねても誰も構ってはくれないとわかっているはずなのに。
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by koharu65 | 2008-11-29 12:03 | 雑感

秋は夕暮れ

 
この時期、格別に美しい夕暮れの空に出会うことが多い。

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『枕草子』より

秋は夕暮れ。
夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。
まいて、雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。
日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。


<現代語訳>

秋は夕暮れ。
夕日がさして山の端にたいそう近くなっているころに、烏が、ねぐらへ行こうと、三羽四羽、二羽三羽と飛び急ぐ様子さえしみじみと感じる。
ましてや、雁などが連なって、ごく小さく見えるのは、なんとも趣がある。
日がすっかり落ち、風の音、虫の音などが聞こえてくるのは、また言うまでもない。
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by koharu65 | 2008-11-27 14:56 | 雑感

やっかいなしろもの

 
よろいを着て 歩いたら
汗が だらだら

よろいを着て 握手したら
ぬくもりが 伝わらない

よろいを着たまま 抱きしめられても
やわ肌に 触れられず

よろいを着て ひっくりかえったら
重くて 起き上がれなくなった

じたばた じたばた

誰か 脱がせてえ



「自分で お脱ぎなさいな」



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言うは易し 行うは難し
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by koharu65 | 2008-11-21 13:49 |

工場

 散歩コースの途中に製紙工場がある。いや、あった、と言うべきか。
 工業地帯ではないこの地区の住人である私から見れば、大きな敷地面積を占める大きな工場だが、業界から見れば中小企業だ。中小の製紙会社は、世間で環境意識が高まるに従って、排水の問題に悩まされてきた。排水を処理するために膨大な設備投資を必要とする。その製紙会社も何年か前に、路地に向かってそこだけ開かれた扉から見える部屋の中に6つほど水槽をしつらえ、水槽の中に魚を泳がせ、如何に排水に気をつかっているかアピールしていた。扉の横には、魚が泳げるほどまでに水を処理してから川に流しています、という説明が書かれていた。そこを通るたびに、私は、そんなに儲かっているわけでもないだろうに、大変な努力をしているんだな、と思った。そんなに努力をしたのに、市から排水を川に流してはいけない、というお達しが出て、ところが下水道を使うととても毎月の使用料が払いきれないので、裁判まで起こして争ったが、結局勝てなかった。
 その会社が数年前、大手の会社に吸収合併され、その後、工場は操業を停止した。そのまま数ヶ月間野ざらしになっていたが、一週間ほど前、とうとう解体作業が始まった。
 工場の敷地は高い塀にぐるりと囲まれているが、土手の脇に広がっているので、散歩する土手の上から建物全体がよく見える。大小のタンクや見張り台のような塔、小部屋にはランプやスイッチ、高い煙突が1本、低い煙突が一本、屋根にはきのこの頭のような帽子を持った換気口が並んでにょきっと生えている、太いのや細いのや、いろんなパイプが路地の上を渡ってこちらから向こうの敷地まで続いている。まるで動脈みたいだ。敷地内にはフォークリフトが行き交い、広場には損紙が積み上げられていた。人の動く姿はあまり見かけなかったし、機械の動く音も土手の上までは届いていなかったはずなのに、なんとなく工場全体が低いうなり声を上げて、一つの生き物のようにごとごとと動いているような気がした。
 その生きてる物音が、ある日突然、ぱたりと止んだ。活動を停止してしーんと静まりかえった工場の横を、私はしばらく、歩き続けた。近所では、跡地には何ができるだろう?ショッピングセンターなんかできると便利でいいね、などと噂した。
 ただ建っているだけのその姿にも慣れて気に留めなくなったある日、解体作業が始まった。ガラガラ、ガシャーンという音が響いたので、見ると、建物の影にパワーショベルが動いていた。とうとう始まった、と思った。日に日に、鉄くずの山が築かれていく。私とは何の縁もない工場なのに、その姿に胸が痛み、ざわつく。まるで工場が自分の一部であったかのように。
 跡に何ができるかは、まだわからない。
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by koharu65 | 2008-11-18 11:21 | 雑感


雨上がり
虹が夕焼けに化けて 空いちめんに広がった
赤い龍が灰色の空を飲み込んでいく
つかのまの色彩
さめた後には 落日の沈黙


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 雨上がりの散歩で偶然、虹が見えたと思ったら、虹のペンから色が広がるように雲が染まっていった。みとれて携帯で写真を撮るうちに夕焼けも徐々に褪め、帰り際にはすっかり寒々とした空気に包まれていた。まるで恋の始まりから終わりまでがたちまちに過ぎ去っていったかのようで。
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by koharu65 | 2008-11-13 10:54 |
 先日BBSで、「日本人女性は賢いか、それともお馬鹿さんか?」というトピックを読んだ。筆者は中国人男性である。(原文は中国語)
 要約すると次のような内容になる。

 頗る女好きの日本人男性が、如何に妻にばれないよう女遊びをするか、如何に上手く妻をごまかすか、ということを常日頃自慢していた。彼は中国に単身赴任して、現地妻として20代の女性と同棲していたが、わざわざ写真まで見せてその女性のことを妻にこう説明した。
 カラオケ・バーで可愛い女の子と知り合ったが、田舎に子供もいて、経済的に苦しい生活を送っている。身の上を聞くと気の毒なので、売上に貢献するために彼女のいるバーに通っている。お酒を飲んだりおしゃべりするだけの仲である、と。
 全てを隠すより、差し支えない程度の話を妻に話しておいたほうが疑われずに済む、というのが彼の持論であった。そして、その思惑どおり、夫が一時帰国で日本に帰り再び訪中するときなど、妻はわざわざ中国の女の子の子供にと、おもちゃなどの手土産を持たせたりして疑う様子は微塵もなかった。
 ところが、妻は、夫が退職し、退職金の振込みを確認したその日に離婚を申し出、退職金の半分を手に第二の人生を歩み始めたのである。妻は、実は夫の浮気を疑わないどころか、夫のしてきたことをすべて把握していて事実を突きつけ、有無を言わさず離婚を承諾させた。
 夫はかつて妻が如何に世間知らずのお馬鹿さんであるか、ということを意気揚々と語っていたが、実は彼こそお釈迦様の手の中で遊ばされていた孫悟空であったのだ。
 日本人女性は果たして賢いのだろうか、それともお馬鹿さんなのだろうか?立派な妻なのだろうか、それとも恐ろしい妻なのだろうか?

 この文章に対して、中国人女性が返信した。
 「お馬鹿さんなんじゃないの?気にしなければならないときに知らんふりして、知らんふりしなきゃならないときにこだわる。日本人女性がわざわざ自分を早くに一人暮らしの孤独な老人にしてしまうことに何のメリットがあるのかわからない。夫婦であった半生がまさか、お金のためだけってわけじゃないだろうに。」

 ああ、本当に彼女の言うとおりだと思う。とても真っ当な考え方だ。自分の人生をきちんと見据えてアレンジする、自らの力で自分にとっていい状況をその都度作っていこうとする強い意志が感じられる。

 日本人女性が賢いかそうでないかはさて置いて、ふと、私だったらどうだろう、と考えた。私も、夫の浮気を知っても、おそらく黙って知らんふりをするだろう。理由ははっきりとはわからない。
 “妻は夫をいたわりつ、夫は妻に慕いつつ…”などという唄の文句がある。夫婦というのは互いに自然に寄り添うもので、夫婦間の愛情というのは自然に生まれるものであって、相手に愛を要求したり請うものではないと、漠然と思っている。だからもし夫の心が離れるのならば、私はそれを静かに見守るだろう。
 これは身に染み付いた古風な美学なのだろうか。或いは美学という鎧の下に恐ろしく高慢なプライドが隠されているのだろうか。

 そんなことを考えていたら、たまたまあるクイズ番組で“妻が夫の浮気を発見したきっかけは?”という問題が出されたとき、司会の島田紳助がこんな話をした。

 ある朝起きてリビングに下りたら、テーブルの上にまっぷたつに折られた自分の携帯電話が置いてあった。

 「何でや?何で携帯、折ったんや?」
 「理由は何や?」
 「昨日、朝ごはん残したからか?それとも円高か?」
 「理由はこのふたつしか思い浮かばん。ふたつのうちのどっちだ?」
 妻が黙ったままなので、彼は1時間後に再び聞いた。
 「何で携帯、折ったんや?」
 妻は叫んだ。
 「円高!」

 そして画面の中で紳助は、携帯折ってもいい、折ってもいいから理由は円高にしてくれ、それでちゃんと胸にずしんとくるから、と語った。

 賢い夫婦関係とはこういうものなのかもしれない。
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by koharu65 | 2008-11-10 14:30 | 雑感

兵隊


山道を
兵隊が
歩いてく

ざく ざく ざく
ざく ざく ざく

彼らはなにを思うだろう

父を 母を
ふるさとの山々を
黄金色の稲穂を
初恋のひとを
思うだろうか

山道を
兵隊が
歩いてく

ざく ざく ざく
ざく ざく ざく

孤独の隊列が
進む


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 夢を見た。細い山道を数人のグループが通りすぎようとしている。私は山肌に寄って、彼らが通り過ぎていく脇で、ジャムを盛ったスプーンを差し出す。男たちはジャムには見向きもせず通り過ぎた。しかし、列の一番後ろにいた一人の女性だけが私の差し出すスプーンのジャムを口に入れた。
 その夢のあと、目が覚めて、この詩が浮かんだ。どういう関連性があるのかさっぱりわからないけれど。或いは関連性はないのかもしれない。
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by koharu65 | 2008-11-05 13:29 |
 夢を見た。
 私は仲間の女性2人と共に、とても広い体育館のような建物に閉じ込められている。社会に革命かクーデターのような何か大きな変革が起こって、私たちは外に出ることが許されない。いつまでもこんなところに足止めを食っているのはかなわない、何とか外に出たいと思う。
私たちは体育館の一角にしつらえてあるカウンターへ並ぶ。そこで書類を提出して認められると、新しい社会の正式な一員となることができるらしいのだ。私がバインダーに挟まった書類一式を、係りの女性に見せると、女性は、
「あ、パスポートを持ってるんですね。」
「身分証明書を発行することはできません。」
と言った。見ると、女性の手元には私の写真が大きく入った身分証明書が既に置かれている。私はすぐに、これは“謎かけ”だということに気付いた。つまり、係りの女性は、今持っているパスポートさえ手放せば身分証明書はすぐにでもお渡ししますよ、とほのめかしているのだ。
 そこで、私たちはパスポートを手放す手続きを受け付けている別のカウンターへと向かった。仲間の女性が私のひとつ前で手続きを始めようとしたその時、突然、私の頭に疑念が浮かんだ。
「これは罠ではないだろうか?」
これは、私たちにパスポートを手放させるための罠なのかもしれない。身分証明書が手に入ったら、本当に私たちの身分が保証されるのだろうか?パスポートを手放し、その代わりにこの社会の身分証明書を手に入れることが、果たして本当に私にとって得になることなのだろうか?考えれば考えるほど怪しい気がした。
 私はすばやく前の仲間に目配せし、後ろの仲間と共に3人、列を離れた。そしてフロアの片隅で相談した結果、私たちは体育館の窓から脱出し、草地へと走り出したのだった。
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by koharu65 | 2008-11-04 14:03 | 夢の話